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【ドラマコラム】原点回帰!『正しいロックバンドの作り方』から読み解く日テレシンドラの在り方

 

  4月20日からスタートした『正しいロックバンドの作り方』。W主演のジャニーズWEST藤井流星と、神山智洋が演じるのは、ロックバンド「悲しみの向こう側」に所属する兄弟。藤井演じる兄のシズマは、グループのリーダー。最大級の音楽フェスである「電撃ロックフェス」に出演するために、グループを引っ張る熱い男。対して、神山演じる弟のテツは、やる気がなくて毒舌。バンドも、人数合わせのために、就職が決まるまでの1年間だけ参加している。夢に向かって一直線な熱い男である兄と、バンドを腰掛程度にしか考えておらず、常に冷静な弟の対比が面白い。

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 ロックバンド「悲しみの向こう側」は、兄弟の他に、栗原類演じるマイペースで協調性のないオギノと、テキトーでノーテンキなコバ(吉田健悟)の4人で形成されている。

 とにかく、この4人のバランスがいい。1話から、本物のバンド仲間かのような会話のテンポが繰り広げられた。シズマがふざけて、コバが乗る。テツが冷静にツッコんだ所に、オギノが爆弾を落とすなど、一人ひとりの役割がきちんと振り分けられているのが、「青春ドラマ」らしい点だ。

 この日テレシンドラ枠は、日本テレビとジェイストームの共同制作であるため、ジャニーズ事務所のタレントが主演を務めている、いわば「ジャニーズドラマ枠」。2017年に、Hey!Say!JUMPの有岡大貴・八乙女光・髙木雄也の3人が主演を務めた『孤食ロボット』を皮切りに、さまざまなジャニーズタレントたちが、ドラマを彩ってきた。

 中でも、大学時代最後の青春を追った『卒業バカメンタリー』や、青春漫画と実際の部活生活とにギャップを感じる『部活、好きじゃなきゃダメですか?』、厳しい校則改正に立ち向かっていく『ブラック校則』などは、青春や仲間、友情といった題材をテーマにしており、”シンドラらしさ”が豊富に取り込まれているように感じる。

 とくに、King &Princeの髙橋海人、岩橋玄樹神宮寺勇太がトリプル主演した『部活、好きじゃなきゃダメですか?』は、高校生活をテーマにしており、掛け合いもリズミカルで、本物の同級生の会話を聞いているかのような爽快感があった。

 この、リズミカルな会話や、青春の疾走感が、シンドラの本来の要素のように思う。『正しいロックバンドの作り方』の前作、『やめるときも、すこやかなるときも』は、シンドラ初のラブストーリーということで注目を集めたが、今作の『正しいロックバンドの作り方』は、まさに原点回帰とも言えるだろう。

 シンドラは、『孤食ロボット』や、『卒業バカメンタリー(藤井と濱田崇裕主演)』など、同じグループ同士で主演をすることもあるが、SexyZoneの佐藤勝利とKing &Princeの髙橋海人がタッグを組んで話題となった『ブラック校則』など、違うグループのメンバーを合体させ、新しい化学反応を見られることも新鮮で面白い。豪華なメンバー同士の共演は、共同制作ならではなのかもしれない。

 『正しいロックバンドの作り方』は、同グループのメンバーのW主演ということで、より、息の合ったコンビが見られることも魅力の一つだ。

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 「電撃ロックフェス」という一つの目標に向かって、切磋琢磨していく。しかも、題材は、青春感満載のバンド。2話までは、いい雰囲気で進んできたが、3話から、早速暗雲が立ち込める。4人のメンバーは、これから、どんな風にぶつかり合って、笑い合って、一つになっていくのだろう。このドラマが、「青春×ジャニーズ」のシンドラらしさを体現していくのかもしれない。