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【ドラマコラム】NHK夜ドラ『いいね!光源氏くん』が面白すぎる

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  4月4日に初回を迎えた「いいね!光源氏くん」。第1話では、千葉雄大演じる光源氏と、ごく普通のOL藤原沙織(伊藤沙莉)の出会いのシーンが描かれた。源氏物語の主人公である光源氏が、都落ちする途中で平安時代から令和の世界へとジャンプしてしまい、なぜか沙織の部屋に飛び出してくる。この、NHKのドラマとは思えないファンタジスティック設定が面白い。不審者が侵入してきたと思った沙織は警察に通報するのだが、光源氏の不安そうな顔を見てつい、「私その人のこと知ってます!国語の授業で習った…光源氏…」と言ってしまう。

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  それから家に居座ることになるのだが、この''放っておけない''感を出せる俳優は、千葉しかいないだろう。千葉が演じているからこそ、いきなり部屋に現れても悪人のように見えない。そして、受け入れてしまう。この千葉の器量と演技力で、視聴者も自然と一見無理のある設定を受け入れてしまうのだ。

  平安時代から来た光源氏は、ティッシュを知らない。タクシーを牛車と言う。自動ドアに驚く。など、いちいち現代のものに反応する。光源氏を見ていると、現代は文明が発達し、すごく恵まれているように感じる。

  しかし、ゆったりとしたペースの光源氏に、沙織が「なんでそんなスローペースなの?」と聞いた時、光源氏は、「心のままに動いているだけだがこの地では急がねば生きていけぬのか?可哀想に」と答える。その言葉は、現代に生きるものへの強い問いかけのように感じた。どうしてこんなにせかせかとしているのだろう?もっとゆったりと生きてもいいのではないか?平安時代から来た光源氏は、今の私たちに足りないものを教えてくれる。

  抹茶ラテフロートに感動して和歌を詠み始めたり、慣れない手つきでスマホをいじってみたはいいもののすぐに目が痛くなってしまう光源氏を見ていると、とにかく可愛くて癒される。こんな世の中だからこそ、ありえない設定のドラマで現実逃避をするのもいいのではないだろうか?

   「いいね!光源氏くん」は、NHKのドラマは難しいのではと思っている人にぜひ見てもらいたい。イメージが一気に変わるはずだ。このドラマを見ていくうちに、光源氏のように心のままに生きる勇気を手に入れたいと思う。

https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/hikarugenji/